オイレンシュピーゲル 3

まずは前の巻からの続きで陽炎編の後半戦。狙撃 vs 狙撃ということで、敵の正体は実は―てのがアクションシーンの盛り上がり所。狙撃銃で武器腕に相変わらずそそられます。狙撃戦というのはこのテの作品では心理戦の要素も取り入れられるのが通例であり、射手のメンタルの描かれ方もまた魅力の一つになりえます。このお話では、射ち合いと精神の「克服」を同時にみせてくれるのが見所でしょう。また、ラストでは彼女の勘違いがプラスされたヤキモチでクールビューティーの仮面が剥がれ、素顔が晒されるのもまた良い。

でもって、残るははぴはぴはっぴー少女の夕霧さんですが。これまでナイスアシストをこなしてきた彼女ですが、陽炎のダイビングキャッチから夕霧編へとのつなぎが最高ですね。そして、彼女もまた暗い過去を背負っており、一見ノー天気なソレは過去を背負ってなお歩き続きためるための仮面でもありまた本性でもある……というのが良いですね。

そんでもって、夕霧編のラストでは三人で一つのチームである、ということが明確に示されるエピソードがあるわけです。単なる戦闘機能を有機的に連携させるためのものだけでなく、戦闘の日常を送り続けるための仲間なのである、というわけですな。

最後にはチラッと黒幕らしきものを見せて次巻に引くわけですが。鋼鉄を纏う彼女たちがどのようなチームワークで挑み、痛快に踏破していくのかが楽しみです。

オイレンシュピーゲル(3) (シリウスKC)

オイレンシュピーゲル(3) (シリウスKC)