魔法少女おりこ☆マギカ

魔法少女まどか☆マギカの設定をスピンアウトしたマンガのシリーズの一つ。1・2巻で完結。ほむらの辿ったかもしれない結末の一つを描く、という性質上、原作アニメをトゥルーエンドに据えるとあまり後味の良い最後を迎えられないだろう、との予想は出来る。そういう意味では、読者の期待を色んな意味で裏切らない外伝になっている。特にラストシーンが秀逸であり、俺はあそこで「QB乙!」と内心ほくそえんだものです。が、その後のオチが大変にまどかマギカのダークな側面を十二分に匂わせるものであり、作者にはしてやられたりといった次第です。

見所は色々あるんですが、どれも原作ファンなら楽しめるかと。油断しなかったり作戦勝ちでドヤ顔キメたりする格好いいマミさん、原作でも垣間見られたものの幼女の登場により如何なくその母性を発揮する杏子、まどかにご執心の余り何も見えなくなってしまいもはや病的ともいえる表情を覗かせるほむら、QBに出会わなかったのが幸か不幸か判別不可能だかとにかくそのおかげで最も貧乏くじを引かされることになるまどか、そんなわけで活躍の場が構造的に抑制されてしまい実際にもアンマリ出番の無くなってしまったさやかちゃん……などなど。キャラごとに見せ場があり、原作アニメの魔法少女たちによる共闘シーンもありと原作ファンにとって中々に読ませる作りになっている。

個人的には上記のように原作からの登場人物の活躍が印象に残っており、このスピンアウトからの登場キャラクターがあまり心に残らなかった。なんでかはよく整理できてないけど、杏子とかマミさんとかが活躍するための下地になってくれたからそれでいいやー、とか思っています。

あと、絵柄がややクセのある捻じ曲がった画風なので、そこが人を選びそうではあるけれど、この絵柄もまたまどかマギカの放つ狂気の面を上手く演出するのに一役買っているので俺的にはオーケーでした。

魔法少女おりこ☆マギカ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

魔法少女おりこ☆マギカ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

魔法少女おりこ☆マギカ (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

魔法少女おりこ☆マギカ (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)