ラブプラス

※この日記は別の場所で 2009年10月07日 に書いたものを転載したものです。

これはリアルにヨメの居る人はやらない方がよい、そう感じさせられたゲームソフトである。ネットにはラブプラスのおかげで関係が悪化した、みたいな与太話がいくつか寄せられている。最初は笑い飛ばしていたが、実際にやってみた結果、あながち冗談でもなさそうである。機械が相手なのでいずれは飽きる日も来るだろうが、その間に現実世界の関係がこじれてしまってはオシマイであろう。残念ながら俺は独身なので本当に悪化するかどうか実験することはできないが、そう思わせる程に男、いや「男の子」を魅了してくる仕掛けが良く出来ている。

ラブプラスには、失われた青春時代の恋愛がある。ラブプラスで描かれるような恋愛なんて実際には存在しないのだろう。無論、似たような経験をした人は極稀にいるかもしれないけれども。重要なのは個々人がどんな経験をしてきたかではない。ラブプラスのヤバい点は、男の子がこんな恋愛をしてみたかった、という成分を煮詰めに煮詰めて凝縮し、DS という媒体で実現してしまったことにある。

まずポイントになるのは、リアルで美しすぎるムービーや 3D でもなく、それなんてエロゲのような言葉で切り捨てられる二次元でもないところ。ハードが DS なのでポリゴンはそんなにキレイでもなく、一見するとギザギザが目立ちやや汚い印象を受ける。しかしながら、モニタの中の彼女たちの一挙手一投足がどうにも、何かをかき立ててくる。リアルすぎず、かといって人間味を失ってもいない、凄まじい調節加減具合の愛花たんの、一つ一つの所作がやたらに想像というか妄想をかき立ててくる。

ボイスもまたラブプラスの素晴らしい点だろう。声優さんの起用については言い尽くされているので省略したいが、ここではセリフの内容について語りたい。セリフやメールの文面もまた、男の子の心理をやたらにくすぐってくるものばかり。学生時代、俺にももしかしたらこんな言葉やメールのやり取りがあった……かもしれない。そう思わせる諸々の仕掛けが我々おっさん共を虜にしていくのだろう。

ラブプラスのゲームは 2 パート存在する。前半は、女の子に告白される前までの友人パート、もう一つは告白されてカノジョになってからの恋人パート。エロゲやギャルゲでいうところのストーリーが存在する友人パートは前菜程度の扱いになっている。しかしながら、ここも良く出来ている。俺は高嶺愛花のソレしか見ていないが、こんな恋愛があったらよかったな……という感想しか出てこないぐらい良く出来ている。描写や分量はホントにライトなんだけど、肝は押さえているというか肝だけしか押さえてないぐらい濃縮されまくっているので、もうこれで充分だよ!

ラブプラス

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