エクゾスカル零 2
相変わらずの圧倒的世紀末。文明が崩壊し人類が見当たらないどころかまるで別の生物のように変わり果ててしまった化け物がいるという世界に葉隠覚悟という正義のヒーローがどのように生きるか、というお話だったと思うのですが……よくまぁあこれほど非情な世界観を作り上げたものだよなぁと感心する他ありません。
強化外骨格を持つ物同士が争うという、なんとも皮肉な場面の続きからこの巻は再開されるわけですが、その結末がまた悲愴極まりない。並の世情であれば、この二人は少年マンガのごとく分かりやすい展開で分かり合えただろうに。貴様もまさしく強敵だったと言わんばかりに敬礼で見送る覚悟も大概アレですが、この悲劇の邂逅も覚悟の絶望の始まりに過ぎないんだよなぁ。希望の始まりになるといいのだけど。
この巻で最も衝撃的でなんかもう息が詰まりそうだったのは、覚悟が銃口を咥えるところですよ。ある種の衝動に突き動かされてのことでホントーのホントーに追い込まれたかどうかはやや判定が難しいところではありますが、そんな行為につい走ってしまうくらいにはキてるわけで、それはやはり見ていて哀しいものです。
そうした重々しいストーリーはともかくとして鎧・銃・メカの書き込みもまた重々しく冴え渡っております。重機! ってとこでここはやはりパイルかなーと想像したら重機関銃でやや肝を抜かれました。山口先生の重厚描写の巧みさは留まる所を知らないようですなぁ。
- 作者: 山口貴由
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2012/03/19
- メディア: コミック
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