処女はお姉さまに恋してる 2人のエルダー 淡雪のコイゴコロ

おとボク2アンソロの4巻目。今回は今までとはやや趣向が変えられている。これまでの既刊は、アンソロなんだしこんなシチュエーションもあればファンサービスとしてはええやろという割と素直で安直な作りでした。が、この巻は雪ちゃんの揺れ動く心模様に重点が置かれてというかほぼ彼女の心理描写で構成されている。元のおとボクのエッセンスに近くなった風味であり俺としてはこっちの方が好みではあります。エロゲだとどうしても主人公視点が主眼になるわけで、アンソロとはいえヒロイン側成分の補完が出来るのは嬉しい限りです。

このアンソロでは、雪ちゃんが憧れのスーパーお姉さまこと千早に女同士でありながら恋心っぽいものを抱いてしまいパニックになったところに、実は男でしたという不可抗力ながらのカミングアウトをされてすっだもんだの末いちゃらぶして雅楽乃を爆発させるという感じです。最後の方の雅楽乃の扱いはないわーとか憤慨してたんですが、お茶目な閉め方でクールに去っていったりしたので結構満足している。

しかしまぁコンプレックスを抱きながらも敬意を払っていた先輩に許されざる感情を抱いてしまったのかと懊悩するだけでもかなり精神的負担が高そうですが、意中の人物の性別が女性でないと分かってしまったときの衝撃はちょっと想像がつかないです。そしてアッサリと受け入れてしまう雪ちゃんも大概大物といいますか。これはまぁおとボク2のヒロインは皆そうだし、エロゲだし、といってしまえばそれまでですけれど。常識的に考えれば千早さんは社会的に再起不能になってしまってもおかしくはないのだけど、皆さん慈悲と寛容に溢れてますよねホント。

あと、登場シーンはホントーにチラッとしたもんですが優雨のキャラはやっぱ良いなぁと思う次第であり、アンソロがメインヒロイン一通り終わったら優雨とか初音さんとかのお話も読みたいなぁ等と欲求が沸くのでした。

処女はお姉さまに恋してる 2人のエルダー 淡雪のコイゴコロ (まるち文庫 6)

処女はお姉さまに恋してる 2人のエルダー 淡雪のコイゴコロ (まるち文庫 6)