魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉

いわゆる中世ヨーロッパ風異世界ファンタジー戦記モノです。主人公と美少女がそれなりにラブラブしながらカリスマで民衆の支持を集めて隊伍を組みドラゴンが出てきて死すべき悪党が出てくるけれども愛と謎のファンタジーな力でこれを撃退する物語。こうまとめてしまうとなんかありがちな感じじゃないっすかという印象を受けるかもですが、構成がなかなかにこなれており読んでいて飽きが来ない。凝った設定を長々と語ったりとかぶっとんだ性能のキャラがすべて破壊していったりとかはしない。なんというかパーツ個々を見るととてもシンプルな作りなんですが、お話の起承転結がハッキリしており読みやすくなっております。

主人公がいきなり戦争で負けてとっつかまるところか始まり、あぁーナヨッとしてる草食系が何故かモテモテになっちゃう感じですかーハーレム要素あまり強くないのが好みなんですよねぇ等と脳内でブツブツ言いながらもピンポイントで強キャラの片鱗を見せてくれるところにほほぉと引き込まれていく。弓がまだ軽視される時代背景でもなお弓を選ぶ漢気に惚れつつ、強気っ娘ヒロインと微妙な距離感を保ちながら丁々発止のやり取りをし続ける主人公に最後はなんのかんのと気に入っていた。

魔法的なるものは今の所はアンマリないようで、要所でその世界なりの苦労どころや事情などが垣間見えるのもよい。といってもそれが主眼ではなんでそおまで物凄い緻密ではないしけど、こーいうファンタジーなアクションで戦争を描こうとなればある程度は奥行きのある世界観で無いと物足りなさがあるものでして。いや、ミニスカで戦場に出てくるとかマジありえんぬとこもあるんですが、それはそれです。

基本は寡兵よく大軍を破るということで、小技で大軍の足を止めて少数の騎兵突撃が縦横無尽に蹴散らし、ラストは主人公とヒロインの剣と弓があわさり最強になったビームでトドメファイナル。敵もわかりやすい下種エネミーですし、汚ぇ花火がドカンと打ちあがって大変お後がよろしゅうございました。

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 (MF文庫J)

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 (MF文庫J)