優等生以上、フリョー未満な俺ら。

エロゲの導入部のようなヌルヌルの日常描写が一巻ずっと丸ごと続きそのまま終わるという実に中身の薄いラノベでした。

中身が薄いと書いたものの、それが即ち本書の価値が低いわけではない。特段にこれといった物語は無いのだが、キャラクター間のやり取りはそれなりに起伏があるため、のんべんだらりと読み進めていくぶんには程よい刺激である。

一応はハーレムものの要素ではありお約束として主人公が鈍感であり美少女モノ特有のかったるい展開がほとんどすべてである。しかし主人公のキャラ設定が不良を目指す優等生というギャップ萌えを狙い過ぎのあざといものであり、彼がクソ真面目な行動を取る度にそれって不良としてどうなのと突っ込まれ、いやだから俺は不良を目指してるのだオルァーという、ちがうって、いやちがわない、とちぐはぐな漫才に終始する。最も、彼を含めてこのラノベの他の登場人物たるヒロインや脇役の端役に至るまでひたすら与えられた記号的アクションしか取らないのだけども。

意外性とかそういうのはマッタク無いが、タイトルからしていかにもな匂いを漂わせる期待通りのペラペララブコメディという点では良く出来ていると思います。

優等生以上、フリョー未満な俺ら。 (GA文庫)

優等生以上、フリョー未満な俺ら。 (GA文庫)