恋する鬼門のプロトコル3
一巻の頃のいきおいはどこへやら。おもしろいことはおもしろい……のだけど、どうにも間延びしてるように思えてならない。一巻の魅力は、いろんな要素がごちゃまぜになりつつも、全体としては調和しているところにあった。がしかし、どうにも二巻・三巻と続ける中でそのごった煮パワーが減衰しているように見える。
キャラの掘り下げは結構上手くいってるんですよ。天王寺くんとか。厨二病炸裂ですよね彼。技術の善悪はあるか、技術者は自らの考案した技術について責任を持つべきか、あたりにどんな所感を持っているか是非聞いてみたいところです。ていうか彼の目的は何なんでしょうね? 知的好奇心が見たされれればそれでOKなんでしょうか。謎ですよね。
それはともかく、葉介とチー&たまものいちゃラブ成分が足りんのが、恐らく根本的になんだか本書に不満の一因なんじゃなかろうか。ヘンにキャラ増やしたり、何の役目を持たせられるのか今ひとつ見えてこないユリアパパとか、邪魔っすよね。余計なキャラが増えれば増える分だけ主役級の出番が減るという……求めてるものの違いかもしれなけど、俺はこのシリーズにはスケールの大きな話は要らないんですよ。各巻単位では盛り上がりポイントとして派手なアクションシーンあってもいいと思うけど、なんかこの先何巻も続けてドンドン規模がでかくなっていきそうなのはちょっと……要らないというか……ぶっちゃけツジーンをサクッと切って、箱庭的に葉介とチー&たまものきゃっきゃうふふ学園+異界要素モノになってくれないかなとか思うのでした。
雰囲気とキャラと設定は俺好みにナイスなんで、なんだかんだいって以降も期待しているシリーズです。
- 作者: 出口きぬごし,をん
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/03/10
- メディア: 文庫
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